どんな本?

5人の親に育てられた優子の青春

しかし優子、めっちゃ良い子、グレてない
どんな17年間を送ってきたのか
あらすじ

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。
その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない〝父〟と暮らす。
血の繋がらない親の間をリレーされながらも、出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき――。
大絶賛の2019年本屋大賞受賞作。
3point紹介


要点を3つに絞って紹介します
① JK優子は父を“森宮さん”と呼ぶ
高3JK 優子は父と二人暮らし。一緒に暮らす父を『森宮さん』と呼びます。普通は『お父さん』じゃない??
② 17年間で優子が所属する家族の形態は7回変わった
優子には父親が3人、母親が2人います。その時々の親の都合で優子はたくさんの親もとを渡り歩いて生活してきました。家族の形態はなんと7回も変わりました。
③ しかし、優子はグレない
生い立ちだけを聞くと、壮絶な人生を歩んできたのだろう… と簡単に想像してしまいますし、実際に優子にとって大変な17年間でもあったわけですが、優子めっちゃ良い子。グレてないんですよ。なんで??
その秘密が17年間に隠されているのです。
感想文|優子、良い子すぎる

不思議でした…
どうして優子はこんなに良い子なのか。
激動の17年間、どこかで全部投げ出したくなってもおかしく無いはず。なのに何で、こんなにも友だち思いで、器量のいい、素敵なお嬢さんに育ったのか。歴代の親たちとの触れ合いを通じて、優子の生い立ちが語られます。
しかし優子、『良い子なだけ』ではありません。強いんです。
印象に残っているシーンの一つに、些細なことをきっかけに優子が同級生女子から嫌がらせを受けてしまう場面があります。
この時、同級生女子は「普通の人とは違う優子の人生、今の家族構成」を揶揄するんですが、ここでの優子の『返し』がパンチ効いてて好きなんです。同級生も面食らって、返す言葉を失う。淡々と同級生女子ズに説明する優子が、またカッコいい。
同級生とのイザコザなんて大したことないしな… という優子の飄々とした姿勢もしっかり伝わってくる。そりゃ優子の生きてきた17年間に比べれば、こんなことは屁でも無いかも。
これまでの人生が優子を強くした面も当然あると思います。一方、この気丈さを持ち合わせてたからこそ、こんなに健やかに育ったのかもしれないな…とも感じました。卵が先か、にわとりが先か。みたいな話ですが。
もう一つ。この本の感想を語る上で『森宮さん』に触れないわけにはいかないでしょう。森宮さんは優子の今の父親です。
森宮さん、いわゆる一般的な家庭の父親と比較すると、ちょっと不思議。そのせいか、優子と森宮さんの間で交わされるやり取りは普通の親子っぽくなくて、可笑しな時もあって。
そんなコミカルなやり取りが多感なJKと父親の間で成り立ってしまう不思議さ、読んでて楽しかったです。
森宮さんは度々優子に『ズレた飯(でも美味い飯)』を作るんですが、ココも良いです。『幸福な食卓/瀬尾まいこ』を読んだ時も感じたんですけど、食卓を描くのが瀬尾さんスゴい!お腹減ってくる!
優子が強くて、森宮さんがズレてることしか書いてませんが、とっても面白くて感動するお話です。泣けます、ぜひ読んでみてください!

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