記事の内容
読書ってしんどい……
本を読むのが苦手な方は意外と多いです。
社会人になってからは読む時間がない、集中できない、と感じている方も少なくありませんが、読書が嫌いでも読めるおすすめの本や方法はたくさんあります。本記事では「読書嫌い」な人のために、読書との付き合い方やおすすめ本・ジャンルを紹介します。
【結論】読書はしなくても問題なし
・読書をしなくても生きていける
・それでも本を読む意味って??
・読書嫌いでも読める本を紹介
・興味はあるけど活字が苦手な人へ解決策
読書が嫌いでも気にしなくていい

読書をしなくても生きていける
大前提として読書をしなくとも人生を楽しむことは出来ます。仕事も日常生活も、本を読まなくても問題なく送れます。社会人を対象にとったアンケートでも約4割が「月に一冊も本を読まない」と回答しています。「大人なら読書くらいした方がいいか」ということもありません。やりたくなければやらなくていいんです。
「本を読まなきゃ」は誤解|読書は特別なことじゃない
読書は高尚な趣味でも知的な営みでもありません。ただ『本を読む行為』のことです。最近は本を読む人が減ったといいますが、昔は暇つぶしの手段が本しかなかったから読まれていただけ、とも言えます。
今は映画やSNS、動画など魅力的なコンテンツが沢山あります。そしてその全てにアクセスできるスマホが普及した現代において、わざわざ本を開く方が珍しいかもしれません。
スマホでまとめサイトを読むのも読書のひとつ
見落とされがちですが、本を嫌いなあなたも実は毎日読書をしています。例えばスマホでまとめサイトやSNSの投稿を読むことも「文字を読む」行為。活字に触れている時点で、それも読書の一つです。メールチェックだって読書と言えるでしょう。「昔から読書が嫌いで本は一切手に取らない」という方も意外と読書はしてるかもしれません。
それでも本を読む意味はあるのか

読書は楽しい
映画や漫画、ドラマなど他の娯楽と同様、読書は楽しいです。良い本は読んでいて面白い。シンプルですが読書をおすすめする一番大きな理由です。小説でしかできない表現なんかもありますし、そんなところも魅力です。
本への苦手意識が強い方は、まだ自分が面白いと思える本と出会えていないだけです。
学生時代は強制的に決められた物語を読まされてきましたが、「自分が読みたい本」なら意外と楽しいものなんです。
いろんな人の人生を擬似体験できる
小説や芸人さんのエッセイなど、読めば自分とは違う人生や価値観を疑似体験できます。本を読むだけで、私たちの限られた人生の中では経験が難しいことにも触れられるというのは素敵なことだと思っています。映画やドラマにも通じる楽しみですが、活字だからこその細やかな感情の描写に触れられるのも魅力です。
読書は表現力と想像力を広げる
活字ならでは、です。当たり前ですが、活字本には基本的に文字しか書いてありません。文字が表現する登場人物の心情や作者の主張、物語の展開を、私たち読者は読み取ってその状況をイメージします。頭を回転させて、想像力をフル稼働させて本を読みます。じゃないと楽しめないですし、それこそが読書を楽しむということでもあります。
当然プロの作家さんが書かれる文章ですから「何書いてるんかよく分からん」となることは少ないですが、だからこそ多種多様な文章や言い回しが出てきます。初めて見る表現に「こんな表し方(書き方)があるんだ〜」と感動することもあれば、使われている単語の意味を知らない為に理解できない…… なんてこともあります。そんな時はネットで調べたり辞書を引けばOKですので、ご心配なく。
そうやって本という言葉の海を漂うことで、一生懸命にならなくても必然的に表現力や想像力は身に付いてくるんです。言葉の引き出しが増えます。自分の気持ちをより具体的に表現できるようになります。
読書を通して自分と向き合う
読書は情報を得るだけでなく、自分の思考や感情と向き合う時間もつくってくれます。小説なら登場人物の心理描写を描いたシーンがよくありますが、読んでいると自分自身を重ねて「コイツの気持ち分かるわ〜」と共感したり、逆に「何言ってんだ、流石に意味わからん」と反感を覚えたり。
小説以外でも同じで、作者の主張や意図があって本は作られるので、その主張に対して自分はどう思うのか、と考える作業を自然と行っちゃいます。この思考を繰り返す過程で、自分の大切にしている価値観や人生観を意識できるようになります。
自分と向き合うことの最大のメリットは、メンタルが安定することです。人間とは、知らないものや分からないものを恐れ避ける生き物です。その対象には自分自身も入ります。自分を理解することで、気持ちが落ち着き、安定した精神状態を維持できるんです。
他にも読書のメリットはたくさんあります。コチラの記事で紹介しています。
「読書嫌い」でも読める|読みやすい本のジャンルとおすすめ本

それでも読書を始めてみようかという方に向けて、おすすめジャンルと本を紹介します。
ノンフィクション小説|実際に起きた事件などがベースの本

現実の事件や実際に過去に報道されたニュースなどがベースとなるノンフィクションは、物語よりも入りやすいと感じる人が多いジャンルです。完全な作り話ではないので本の内容を想像しやすいからです。
おすすめはこの2冊。完全なノンフィクションではないですが、事実を元にしたストーリーです。
人生を変えたコント / せいや(霜降り明星)
お笑い芸人 霜降り明星せいやさんの半自伝小説です。高校時代にせいやさんが壮絶なイジメに遭ったエピソードが元となった物語です。なかなか強烈な表現もありますが、おもしろい…… どうしてお笑い芸人さんが書く本は面白いんでしょうか。誰もが通る学生時代が舞台でもありますので、そうゆう意味でもイメージしやすくて読みやすいと思います。
BUTTER / 柚木 麻子
ある女と交際関係にあった男性が次々と不審死します。事件の中心にいたのが梶井真奈子、通称カジマナ。事件の真相を追う週刊誌記者・町田里佳は容疑者として拘置所にいるカジマナに面会に行くが…… というストーリーです。
2007年〜09年にかけて実際に起こった首都圏連続不審死事件がベースとなっています。
この本、読み応えすっごいです…… まじでバター食べてるくらい濃ゆいです。カジマナという一人の人間に、いろんな大人が翻弄されまくり。ストーリー展開自体は当然おもしろい。それだけじゃなくカジマナ事件を通して浮かび上がってくる一般世間が抱く女性観(女はこうであるべき、女なのに)に、たびたび違和感を突きつけてくる点が印象に残ってます。濃ゆい本。
趣味|自分が興味を持つテーマの本

自分の趣味や興味に関係する内容なら、すっと内容が入ってきやすいです。スポーツ、料理、旅行など、もともと自分が好きなテーマから選んでみましょう。おすすめはコチラの2冊。
フェイク・マッスル / 日野 瑛太郎
筋肉がテーマの本です。
たった3ヵ月のトレーニングで、人気アイドルがボディービル大会の上位入賞を果たすのですが、「そんな短期間であの筋肉ができるわけがない、ドーピングじゃないか」炎上。当の大峰は疑惑を完全否定し、騒動を嘲笑うかのように「会いに行けるパーソナルジム」オープン。週刊記者の松村は真相を明らかにする為にこのジムへ入会する…… というストーリーです。
私自身が筋トレ趣味ということもあり、積読リストに入ってる本です。読みたい。
漫才過剰考察 / 髙比良 くるま(令和ロマン)
またお笑い。私はお笑いも好きでして……
この本はおもろいです。笑 漫才好きにはぜひ手に取って欲しい一冊。漫才オタクのくるまさんがいろんな日本各地、東西南北のいろんなお笑い芸人、漫才を分析しまくります。
お笑いってシンプルに「おもしろいか・おもしろくないか」という評価軸だけで見られがちですが、くるまさんの分析は違います。彼は「なぜこの漫才は面白いのか……」と徹底した分析をします。今まで考えたことのなかった視点の考察が次々と繰り広げられて、思わず「なるほど…… だからおもしろいのか」って感心しちゃいます。お笑いなのに。さくっと読める分量ですし、読んでみて欲しい!
恋愛小説|ストーリーでときめく

恋愛や日常を描いた小説は共感しやすいと思います。読書が嫌いな人でも読みやすい。おすすめはこの2冊。
ぼくは明日、昨日のきみとデートする / 七月 隆文
ゲロ泣きしました。いい大人なのに。途中でタイトルの意味を理解する瞬間が訪れるんですが、それからはもう…… 泣きたい人、読んでみてください。たしか映像化もされていた作品だと思います。おすすめです。
イニシエーション・ラブ / 乾 くるみ
普通の恋愛小説ではないです。大事なことなので最初に書きます。いわゆる叙述トリックというやつが仕掛けられています。読書をこれからという人にほど、この衝撃を味わっていただきたい…… 読書にハマっちゃうかもしれません。
学生たちの甘酸っぱい恋物語です。一見。一読して損はない作品だと思いますので、ぜひ!
くれぐれも先にネタバレは見ないように。
映像化作品|ストーリーがわかるのでイメージしやすい

映画やドラマの原作はめっちゃおすすめです。すでにストーリーや映像イメージが入っているので、スムーズに読み進められます。おすすめ2冊はコチラ。
そして、バトンは渡された / 瀬尾 まいこ
2021年に映画化。田中圭さんなどが出演して話題になりましたね。原作も当然めっちゃ良いです。瀬尾まいこさんの書く文章はとっても読みやすいんですよね。これは説明できる語彙力が私にないので、実際に読んでみないと分からないです。すみません。17年間で家族の形態がなんと7回も変わったJKが主人公です。泣ける本です、ぜひ。
流浪の月 / 凪良 ゆう
2022年に映画化。広瀬すずさんが出演されてましたね、こちらも話題になった作品です。映画化の配役ぴったりだなと感じました。
ちなみにストーリーは結構パンチあります…… 私は読んでいてしんどいシーンもありました。誘拐犯と誘拐女児、2人の事件前・後の人生が描かれます。面白い本です。
エッセイ|日常を描く

エッセイは日常を切り取った描写などが多くてイメージしやすく読みやすいです。おすすめ2冊はコチラ。
社会人大学人見知り学部卒業見込 / 若林 正恭(オードリー)
またまた芸人さんです。本当にお笑い芸人さんの書く本おもしろすぎる。オードリー若林さんがM-1でヒットした2008年を社会への”入学年”として、入学後に社会や世間に対して感じた気づきや経験がてんこ盛りの一冊となっています。
特にお気に入りの話を一つご紹介。『穴だらけ』という話の中で、正解を見つける為に色んな方法を試行錯誤する過程を、黒ひげ危機一発に似ていると若林さんは言います。コレはダメ、あれもダメだったと色んな穴に剣を刺しているうちに、いつか黒ひげにつながる”正解の穴”につながると。
実際は黒ひげを飛ばさないように、というゲーム性ですが、この話がすごい前向きな感じがして好きです。失敗なんて全然OK、失敗するほど正解に近づくんだから! という考え方はしんどい時ほど大事にしたいなあと思います。一つ一つ短いのですごい読みやすい、おすすめ。
天才はあきらめた / 山里 亮太
またまたまた芸人さんです。もう芸人さんが書いているというだけで無条件に面白い本だ、と思ってしまうようになりました。2023年に話題になったの『だが、情熱はある』の原作?と言ってもいいのかな?? 実は山ちゃんは若林さんとすごい仲良くて、紹介した2冊どちらにもお互いの話が出てくるくらいです。
この本もね…… 面白いんですよ……笑
山ちゃんの今に至るまで、やらかしまくってきた過去が赤裸々に語られます。読んでるこっちが思わず『あちゃー……』を連発してしまうエピソードが山のように出てきます。これが面白い……
一読の価値ありです、ぜひ。
短編集小説|通勤中やスキマ時間に読めるショートストーリー

短編集は物語一つ一つがコンパクトで区切りがよく、通勤中などのスキマ時間にも読みやすくおすすめです。この2冊を紹介。
お探し物は図書室まで / 青山 美智子
全世代に刺さる一冊になっていますが、特に社会人に読んで欲しい。登場人物は5人で、それぞれ異なる悩みを抱えているところから始まります。
あるものは定年退職後の人生を悩み、あるものは育児と仕事の両立に悩み、あるものは社会に馴染むことが出来なかったことを悩み……
そんな悩める大人たちがたどり着く地域の図書室があり、そこにはなんだか不思議な司書さんがいまして…… というストーリー。
きっとあなたも共感できるエピソードこの本にはあります。文体も読みやすくっておすすめです。
終末のフール / 伊坂 幸太郎
伊坂さんの作品は短編チックなものが多いです。そしてその短編同士がゆるくリンクしているってのが特徴です。この感じが僕はすごい好きなんですよね。さっきの話に出てきたあいつが、今度は主人公か!みたいなちっちゃい感動がたくさんあって、読んでいて飽きがこない。
この小説のテーマは「地球がもうすぐ終わる時、人間はどう生きるのか」です。いかにもSF感ですが、読んでみるとめっちゃ日常。日常なんだけど、どうやらもう世界は終わるらしい。どうしよっか、というゆるい世紀末感が他になくてイイ。で、タイトルが『終末のフール』。終末の『バカ』なんですよ。このタイトルに本書の魅力が詰め込まれています。 伝わってくれ〜〜!!笑
本筋からそれますが、本書の目次がめっちゃハライチなんですよね。それだけでもぜひ手に取って確かめて欲しいです。ぜひぜひ。
それでも活字が苦手な方へ|試して欲しい本の読み方

読書に興味はある、でもやっぱり、どうしても活字が苦手! という方に試して欲しい本の読み方をご紹介します。
読み方に正解はない|気になるページからめくってみる
結構大事な話ですが、本の読み方に正解はないです。好きなように読んで全く問題なし。
1ページ目から読まなくてもイイし、最初から最後まできっちり読む必要もありません。気になるページや章だけ読んでもいいのです。それでその本を読むのをやめてもOK。YouTubeも気になるところだけ見てあとはスキップする、倍速で流すってよくありますよね、あれと同じです。
面白くなければ読むのをやめる
手に取った本が面白くなければ、読むのをやめちゃった方がいいです。「最後まで読まなきゃ」と無理やり読もうとすると、かえって読書をさらに嫌いになってしまう危険性があります。自分に合わない本は当然あります。食べ物と一緒です。途中でやめても大丈夫。
遅読で何が悪い|どれだけ時間をかけて読んでもいい
よく「どうしても読み切るのに時間がかかってしまって……」という声を聞きますが、全く問題ありません。遅読で全然大丈夫です、むしろゆっくり時間をかけて読んだほうがいい、まであります。私も読むの結構遅いです。
遅読については以下の記事で色々書いていますので、ぜひ合わせてご覧ください。
【結論:読書は遅い方がいい】それでも早く読みたい人へ読書のコツ5選【本の読み方】
オーディオブック(Audible 等)を使ってみる
どうしても活字を読むことに苦手意識があるなら、『耳で聴く読書』オーディオブックもおすすめ。ラジオ感覚で読書が楽しめますし、移動中や家事の合間に「ながら読書」ができます。コチラも別記事でまとめているので、ぜひご覧ください。
まとめ|興味が出てきたら、読書してみてもいいかも

【結論】読書はしなくても問題なし
・読書をしなくても生きていける
・それでも本を読む意味って??
・読書嫌いでも読める本を紹介
・興味はあるけど活字が苦手な人へ解決策
読書は「しなければならないもの」ではないです。でもやってみると「意外と楽しいもの」でもあります。読書にちょっとでも興味が出てきた時に、気になる本に出会った時に、始めてみてもいいかもしれません。
そしてもし、本の感想を語り合える仲間が1人でも増えたなら、私はとても嬉しいです。( ´∀`)
ここまで読んでくれたあなたが、この先あなたにとって『良い本』と出会えることを願って締めたいと思います。それでは、また!
コメント ※管理人からの返信が必要な場合はお問合せフォームをご利用ください。