どんな本?
ズバリ、めんどくさおもろい
普通の人は流しちゃうような日常を、切り取って、分析しまくります
『いや、、そんなん気にする!?』の連続が、読んでるうちに、癖になってきます
あらすじ
やろうと思ったけどできなかったこと、やる前に考えてしまったこと。不毛な考えが豊かに花開く、「日経MJ」連載から厳選したエッセイ123本詰め。
筑摩書房 べつに怒ってない / 武田 砂鉄 著 (chikumashobo.co.jp)
3point紹介
要点を3つに絞って紹介します
Point①・・・日常の「ちょっと気になる瞬間」を切り取る人
シンクの隅にいつもある、三角コーナーに思いを馳せてみたり、、
街中の喫煙所の中で、愛煙家たちの友情を感じたり、、
飲食店で並んでいるときに、先を抜かしていく予約客にジェラシーを感じたり、、
生活している中で誰もが遭遇する、あんな場面やこんな場面を、ピックアップ。普通の人なら流しちゃうような場面を、切り取りまくります。
Point②・・・とにかく、何でも気になるし、気にする人
もう、筆者は身の回りの色んなことが気になります。
しかも、ちょっと変なところに限って、気になってしまう。でも、言われてみると「確かにちょっと気になるかも、、」と、思わされるようなところばかり。
もう、マニアと言って過言ではありません。『日常切り取りマニア』によって書かれた本なんです。
Point③・・・めんどくさい人??
普通の人は流すことを、わざわざ流さず拾い上げて、しかもその切り取った部分を、分析する。分析しまくる。
絶対、めんどくさい人やん
そう思ったんですけど、これがなかなか、筆者の注目ポイントがおもしろいんです。
オードリー若林の本や、ピース又吉の本が癖に刺さった人、多分この本読んでも同じところに刺さります
新感覚、めんどくさおもろい、必見です。
【感想文】そんなん、気にする、、?でも、分かるわ、、
個人的ベストは、駅弁のエピソードです。。
著者の目の付け所が、めちゃくちゃ穿っておりましてね、、
本書の魅力を伝えたいので、もうちょっと説明します
駅弁って、めっちゃワクワクして買いますよね。
なぜか。駅弁買うシーンって、大体長旅の時ですよね。
例えば、旅行。旅行の場合、そもそも、ハナからワクワクしていますよね。
仕事で出張というケースもあると思います。仕事自体はワクワクに繋がらないかも知れません。しかし、それと、駅弁の存在は別次元です。
そもそも、駅弁自体に『美味しそう感』がハンパないほど詰まっているからです。
飛び出してきそうな勢いで詰められた、彩り鮮やかな食材たち。
そんなカラフルかつ魅力満点のお弁当が、駅弁屋さんの店頭には常時何種類かラインナップされています。
見てて、もう『美味しい』。
どれにしようか迷っちゃう、その時間がまた、ワクワクですよね。。
そして、それぞれの駅弁がね、個性やテーマを持っているところも、ポイントでしてね、、
蛸壺に詰められているタコ飯
海鮮盛りだくさんのちらし寿司
紐を引っ張ったら、アツアツになる牛タン弁当。。
もう、ワクワクする要素しかない。
そんな、、人の心が躍っている瞬間に筆者は付け入ったわけです。
『付け入った』じゃなくて『目を付けた』じゃないかな、、
駅弁とは、人の心躍る瞬間が詰め込まれた、ワクワクボックスです。そこはもうご理解頂けたでしょう。
つまり。
駅弁を購入した人は、乗車したその瞬間から
(いつ食べようかな、、)と、ソワソワしているわけです。
そして多くの人は、特に表情に出すわけでもなく(←ここがポイント)いつ食べるかを検討するわけです。
この駅弁をいつ食べようか無言で検討するシーンを著者は、
無表情なのに、感情がこぼれそうになっているのが、良い
と、言うわけです。
なんか、、目の付け所が、ひねくれているようで、、一周回って穿っているというか、、おもしろいなあ、と思ったんです。笑
確かに、駅弁買う時って、絶対に、ちょびっとは、気持ちが盛り上がってますよね。
でも、そんな思いを俯瞰して見つめる事なんて、普通、しません。
それを、あえてやる。なので、『変わった所に注目するなあ』と思いつつも、『でも、確かに、言う通りでもあるな、、』と気付かされるんです。
ここでは一例として、駅弁のエピソードを選んでみましたが、こんなのがめっちゃあります。
やから、おもしろいです。
しかし同時に、この筆者の事を、
(、、、めんどくさい人や、、、)
と、思いながら読むことにもなります。
でも、言ってることは分かるし、思わず(確かに、、)と心の中で共感しちゃう。
この、めんどくさおもろい感じ、ぜひ体感してみて下さい。