ミステリ

宿野 かほる「ルビンの壺が割れた」|あらすじと読書感想文

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ミステリ
どんな本??

男女のメッセージのやり取りと共に進行する物語

オチ自体、衝撃的なのはいうまでもなく、

読み終えてからもじわじわと来る読後感、まさに猛毒的な本です、、

ミステリ好き必見。でも、いわゆる普通のミステリではないです

他の本では味わえない、衝撃、刺激、驚き、裏切りがここにあります

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あらすじ

「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」――送信した相手は、かつての恋人。フェイスブックで偶然発見した女性は、大学の演劇部で出会い、二十八年前、結婚を約束した人だった。やがて二人の間でぎこちないやりとりがはじまるが、それは徐々に変容を見せ始め……。先の読めない展開、待ち受ける驚きのラスト。前代未聞の読書体験で話題を呼んだ、衝撃の問題作!

宿野かほる 『ルビンの壺が割れた』 | 新潮社 (shinchosha.co.jp)

3Point紹介

要点を3つにしぼって紹介します

Point① 始まりは一通のメッセージ 

物語は、水谷という男の一通のメッセージから始まります。

どうやらかつての恋人をSNS上で見つけたみたいです。水谷はかつての恋人、未帆子にメッセージを送ります。

Point② 返事が、来ない

水谷のメッセージには、待てど暮らせど、返信が来ません。

それでも水谷は、メッセージを送ります。何通か、メッセージを送りました。

水谷は、かつての出会い、過去を振り返りながら、ことばを綴ります。

どうやら二人は、過去に婚約した仲のようです。

Point③ 劇薬的、ラスト

すこし時間が経って、やっと、未帆子から返信が来ます。

それから、二人のメッセージのやり取りが始まります。

互いの思い出を振り返りながら、語り合います。

ついに、話題は禁断の過去の別れについて。

二人が決別する事となってしまった出来事、それは一体何だったのでしょうか。

終盤に進むにつれて、ぺりぺりとめくれ上がり、明らかになる衝撃の事実。の連続。

最後の一行は、「強烈」の一言です。

読書感想文

ルビンの壺

ルビンの壺(ルビンのつぼ、Rubin’s vase)とは、1915年頃にデンマークの心理学者エドガー・ルビンが考案した多義図形。ルビンの壺では白地(つまり壺のように見える部分)を図として認識すると、黒地(つまり2人の横顔のように見える部分)は地としてしか認識されず(逆もまた真である)、決して2つが同時には見えない。

ルビンの壺 – Wikipedia

この小説、、

まさに、劇薬的小説です。

この刺激、ネタバレのような形で伝えてしまうと、薄まってしまうのではないか。。

なので、どんな物語なのか触れながら、ふわっと語りたいと思います

物語は、ある男の一通のメッセージから始まります。

お久しぶりです、水谷です

たまたま、SNS上であなたをお見掛けして、思わずメッセージを送ってしまいました

送り先はどうやらかつての恋人、未帆子という女性のようです。

この水谷が送ったメッセージですが、返信が来ません。

こうゆう時、めっちゃソワソワしますよね

水谷もソワソワします。

そして、返事は無いにも関わらず、繰り返して、何通かメッセージを送ります。

ふつうの人なら、「ブロックされちゃったか…」と諦めそうなものですが、、

どうやら、水谷と未帆子は、付き合っていただけでなく、婚約までしていた模様。

さらに二人は、ショッキングな形で、はなればなれになってしまったことが伺えます。

なぜ、婚約にまで至った二人は、今一緒に暮らしていないのか。

疑問は膨らむばかりです、、

物語は、水谷の一人語りで進行するのかな、、と心配になってきた頃、ついに、返信が来ます。

お久しぶりです

ここにきてやっと、メッセージのやり取りが始まります。の

二人にとって、こうやって言葉を交わすこと自体、かなり久しぶりのように見受けられます。

一体、なぜなのか…

極力、本書の衝撃をそのまま感じて欲しい!

なので、内容はこの辺りで、、

こうゆう形で、物語が進むこと自体、かなり僕にとっては新鮮でしたが、そんな事よりも!

ラストですよ。

衝撃的過ぎました。

一見、ノスタルジーでセンチメンタルな、大人の男女のやりとりかと思わせてきます。

しかししかし、初っ端から、何だか文章の節々に不穏さが漂うのです。

なぜ、水谷のメッセージには返信が来ないのか。

なぜ、水谷は何度も送り続けるのか。

なぜ、水谷はSNS上で未帆子を見つけられたのか。

なぜ、水谷は婚約までした相手と別れることになったのか。

どこかおかしい、、読んでいると必ず感じる瞬間があります。

それも一回じゃない。

物語は、違和感をはらみまくって、進みます。

不穏さは未帆子とメッセージのやり取りが始まっても続きます。

そして、進むにつれて、なぜだか過激な表現が増え始めます。

こんなことを、何故、わざわざ言うのだ??

読んでいる側が困惑するような表現ばかり。

なぜ、なぜなのか。。

膨らむ疑問は、最後、爆発します。

まじかいな!?!?!

って感じです

何度書いても書きすぎにはならないです。

オチが衝撃的な作品でした。

ご参考までに、読み終えて、私は、

え、、

怖い怖い怖い怖い怖い

ってなりました。(怪談的な意味ではないです)

ほんまにですね、「なあんで、こんな話をこいつはしとるんや」と、なるんですよ。

何度も目を疑いましたが、それは間違っていなかった。。

「ルビンの壺」のイラストでは、顔と壺を同時に見ることは出来ません。

顔が真実なのか、それとも壺が真実なのか。。

ルビンの壺は、一体いつ割れるのか。。

読み終わった時に割れるのか。。

はたまた、初めから割れているのか、、

と、言うか、ルビンの壺が割れるってどうゆう事なのか、、

壺、顔、どちら側に着目したとしても、破綻しているという事なのでは、、?

そんな風に私は思いました。

新しい読書体験がここにあります。

じわじわと迫りくる衝撃を、ぜひ(; ・`д・´)

(おわり)

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