ミステリ

伊坂 幸太郎「魔王」|あらすじと読書感想文

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あらすじ|

魔王とは何者なのか?魔王はどこにいるのか?
世の中の流れに立ち向かおうとした兄弟の物語。

会社員の安藤は弟の潤也と2人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、1人の男に近づいていった。5年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、何気ない日常生活に流されることの危うさ。新たなる小説の可能性を追求した物語。

引用:『魔王』(伊坂 幸太郎):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部 (kodansha.co.jp)
  • 物語の軸は理屈っぽいサラリーマン「安藤」と、自由気質な彼の弟「潤也
  • あらすじにある通り、安藤はある能力が自身に備わっていることに気付く
    (伊坂作品定番ですね… そしてそれが良いんです…)
  • 物語では近い日に行われる選挙戦が話題に。出馬予定のある男に注目が集まる。

感想|

ハラハラ びっくり

 最悪の結果も、驚くべき奏功も、絶望に突き落とすのも、絶望から救い出してくれるのも、集団での行動がきっかけとなることはよくある話です。絶対悪では無い。しかし強烈な推進力を発揮する群集心理ってのは、なかなか怖い。語られがちですが、集団と個のバランスは難しい。集団の意思が固まり、一つの方向に強く進み始めたとき、その物自体の善悪はもはや問われなくってしまうことがある。

 あと、危機的な状況でもスッと、我に帰る瞬間って、確かにありますね。

 今日、クライアントの背中をもう一押しする為に、最後のプレゼンをする。まさに天王山、開始時刻は1時間後だ。ちなみに、私は発表者だ。さらにちなみに、私はたった今起きた。大寝坊だ。
 15分後に来る電車に乗れば、時刻には何とか間に合う。駅へ猛ダッシュで駆ける。改札を抜ける瞬間、ふと家の鍵を閉めたかどうかが気になった。あれ、閉めたっけ。玄関を飛び出す時鍵を手に持った気がするけど、鍵穴を回した記憶が無い。あ、そういえば21時からの映画の再放送、録画するのを忘れてた。しまったな、アレ見たかったんだけどな… うわ、電車もう来てる!!

 と、いう具合に。

 安藤と僕が違うのは、打ち手を考える余裕を持ち合わせていない所ですかね。この程度のシーンですら。

 余談ですが、魔王がタイトルの作品多過ぎですね。

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